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小児形成外科

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小児形成外科って、どんな科ですか?

小児形成外科とは何をする科?という疑問が多々聞かれますが、対象疾患が幅広く一口で表現するのは難しいものです。ただ、私達形成外科医の治療理念として「機能面だけではなく整容面も考慮に入れて治療にあたる」ということを心がけています。整容面、すなわち「外見」も大事にする科なのです。

どんな病気を診るのですか?

対象疾患としてはおおまかに分けますと以下の5項目くらいになると思います。

  1. 外傷 *熱傷 *顔面外傷

  2. 腫瘍 *皮膚・皮下腫瘍

  3. 先天奇形 *体表奇形

  4. 後天性変形 *難治性潰瘍 *ケロイド、瘢痕拘縮

  5. その他 *爪の疾患

当センターは小児が対象ですので、具体的には以下のような疾患があげられます。小児に多い疾患以外でも形成外科の範疇は広く、ご相談いただければきめ細かい応対もできると思います。

熱傷

いわゆるやけどです。軟膏で治癒するものから手術をしないと治癒しづらいものまで、皮膚の損傷の程度で異なります。小児の熱傷で特徴的なことは、患児の好奇心から熱いものに触れてしまうことが原因の一つであることです。そのため皮膚の比較的深い損傷になりやすい傾向にあります。

顔面外傷

すりむいた傷から骨折まで、顔に関係する傷は、長期のきずあとが問題になりますので形成外科で治療することが多くなってきました。小児では成長に伴い変形が強くなることがあるのが特徴といえます。

皮膚・皮下腫瘍

できものやアザについてです。生まれつきのアザや、皮膚の膨らみ・しこりを対象疾患としています。アザには、赤アザ(苺状血管腫、単純性血管腫など)、茶アザ(扁平母斑、太田母斑など)、青アザ(異所性蒙古斑、青色母斑など)、黒っぽいアザ(色素性母斑、表皮母斑など)、黄色アザ(脂腺母斑、先天性禿髪症など)があります。小児に比較的多いしこりとしては石灰化上皮腫、粉瘤、色素性母斑(ホクロです)、脂肪腫、血管腫などがあります。治療法は、レーザー治療、手術によるものと様々です。

先天体表奇形

当科では先天奇形として主に体表、つまり外見上の変形に対応しています。具体的に頻度が比較的多いものとして、口唇裂、口蓋裂、埋没耳、副耳、合指(趾)症、多指(趾)症、先天性瘻孔(耳瘻孔、毛巣洞など)があげられます。他に多くの生まれつきの変形があり、気になさっている点をご相談いただきたいと思います。

 

疾患とその変形度によって治療するのに最適な時期が異なります。例えば、口唇裂に対しては生後3~6ヶ月で、口蓋裂に対しては生後1.5才くらいで手術を行います。

難治性潰瘍

様々な原因や要因で治癒しづらくなった状態(具体的には1ヶ月以上傷があり続ける状態)を難治性潰瘍といいます。代表的な疾患として褥瘡(とこずれ)があります。小児期であっても、例えば、もともと感覚障害があったりすると治りづらい傷が容易に生じ得ます。傷の手当も大事ですが予防の指導もしています。

ケロイド

手術後の傷跡や怪我をして治った傷跡が、赤く盛り上がってきて白く平らな状態にならないことを、肥厚性瘢痕・ケロイドといいます。他に症状として痒み・痛みを生じることが多い疾患です。外科的な治療法のみでは症状が緩和しづらいこともあり様々な療法を組み合わせて治療に当たっています。

瘢痕拘縮

小児は成長いたしますので、傷跡(瘢痕)にひきつれ(拘縮)を生じてくることがあります。傷のない部分は伸びて大きくなるのに対して傷跡は伸びづらいために、ひきつれとなってしまうのです。これを放っておくと体の成長自体も阻害されてしまいます。適切な時期に適切な治療法でひきつれを解除していき、ある程度成長が落ち着いた時点で整容面も含めて改善を図っていくなど、長期計画をたてて治療をしています。

爪の疾患

代表的な疾患に陥入爪があります。爪が変形し、爪のはじが皮膚にくい込み炎症を起こし続ける状態です。爪の切りすぎや、足にあわない靴をはくことが原因であったりします。

診療体制

毎週水曜日の午前、札幌医科大学からの出張医師が診療しています。