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小児眼科

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はじめに

当センターでは複数の疾患をもつお子さんが多く、総合的な配慮のもとに眼科疾患の治療に当たっています。

 

また、病院と訓練施設が統合した小児専門施設の特徴を生かし、お子さんの発達を複合的にサポートできるよう勤めています。平成25年4月からは医師1名、視能訓練士1名の体制で診療を行っています。

おもな疾患

斜視、眼振

斜視は一方の目で対象を見たときに反対の目がずれてしまうものですが、ずれる向きが外側、内側、上下で外斜視、内斜視、上下斜視に分けられ、その他に特殊な形があります。いずれも状況によって手術の対象になることがあります。外斜視は最も手術件数が多く、主に明らかに目立つときが手術対象になります。内斜視は生まれて数ヶ月以内に大きくずれている場合、ずれ角が一定なら早期手術をお勧めしますが、当センターでは全身的な合併症がある場合で、ずれ角が変動しているお子さんが多いので、原因との関連を考えながら、治療方針を決めていきます。内斜視の場合は、ずれた眼を使わなくなることがあるので、同時に斜視性弱視の管理も必要になってきます。内斜視等で片眼の弱視があると、いい方の目を隠す遮蔽訓練が必要なこともあります。

 

眼振は眼が常にゆれつづけている状態ですが、ときおりしか出ないお子さんもいます。眼振のみで視力が伸びない場合が多いのですが、眼底疾患などが合併していることもありますので、眼科検査を一通りする必要があります。眼振のみのお子さんでは、一般的にゆれ幅が成長とともに少なくなります。最終的に眼振の止まる眼の向きがあるような軽度のお子さんでは十分な視力に達する場合もあります。

屈折異常、弱視

出生直後の小児の視力は低い状態です。使い続けることで伸びていきますが、屈折異常の遠視や乱視が強い場合は、視力の発達が止まってしまい、弱視の状態になることがあります。さらに、内斜視と関連する場合もあります。治療の基本は眼鏡ですので、装用が必要な場合は眼鏡を処方します。弱視治療用の眼鏡は療養費の給付があり、手続きのお知らせもしています。

 

精神発達遅滞や知覚過敏、高度の難聴で補聴器をつけていたりすると、なかなか装用できないこともありますので、十分にご相談しながら方針を決めていきます。お子さんによっては眼鏡装用をいやがることもあり、ご家族のご理解を得て、治療を進めます。

 

最近は3歳児検診や就学前後の視力検査が発達の問題などで不十分な結果しか出なかった場合に、関連施設からのご相談を受けることが増えています。予約診療で十分な時間をかけることで、視力測定を実施するよう努めていますが、結果がでないときでも、調節麻痺下での屈折値などをもとに眼鏡装用の適応を判断しています。

 

早期の装用で行動の改善がみられることもあり、視力について気になる方には早めの検査をお勧めしています。

未熟児網膜症

当センターNICUでは重症の低出生体重児を管理していますので未熟児網膜症の進行により失明する危険性があります。眼科医にとっては適切な眼科管理で失明を回避することが重大な使命です。近年、新生児科医の管理が良くなっているので、比較的軽症の例では未熟児網膜症は増悪しませんが、一方で眼の未熟性の非常に高い例が散見されるようになり、治療が困難な場合もでてきています。未熟児網膜症は時代によって変化し続けている疾患です。診断と治療に日々の改善を心がけています。

眼瞼下垂と先天性鼻涙管閉塞症

眼瞼下垂に対しては、眼が隠れたままになっていると視力の発達の妨げになりますから、高度の場合は乳児期、中等度であれば成長してから手術をします。まぶたを挙げる手術は表情をかえますので、美容的な考慮も十分しながら、手術を行います。

 

先天性鼻涙管閉塞症はいわゆる涙目ですが、生まれて数ヶ月で目やにが多い場合の原因になっていることもあります。1歳までの間に自然に開いてしまうことも多いのですが、涙嚢炎を起こしてしまうとなかなか直りにくくなり、シリコンチューブ留置が必要になることがあります。生後6ヶ月までに目やにと涙が多いときは疑っておく疾患です。

小眼球、視神経低形成など

いろいろな疾患で受診されるお子さんのなかには、先天的に眼球の形成が不完全のため、小眼球や視神経低形成などの重大な眼先天疾患をおもちのお子さんもいます。当センターでは、生後早期に入院された場合、病状が落ち着いたところで全身的なスクリーニングを行っていますので、かなり早い時期に眼科的異常を発見することが多くなっています。小眼球や視神経低形成などは長期的に低い視力につながることがあり、発達に対する影響を多角的に評価する上で、新生児内科などと協力して対応しています。

全身疾患のなかの眼科疾患

当センターにはなんらかの疾患をお持ちで眼科以外を受診された場合でも、疾患自体に眼合併症がありえる場合や治療のための薬物に眼に関する副作用がありえる場合があります。たとえば筋ジストロフィーでの斜視や屈折異常、ステロイド投与による白内障や眼圧上昇などがあげられます。非常に多彩な病状がありますので、個別にできるだけわかりやすくご説明するよう努めています。

セカンドオピニオン

小児の特殊性のある頻度の少ない疾患や、治療方針の決定にはっきりした基準がないときなど、それぞれの医療施設で診察した医師が、他の医師の意見を聞きたいときがあり、最近、そのようなご相談を受けることが増えています。また、お子さんのご家族の方が、1カ所の医療施設の説明で安心できず、他の施設での診察も希望されることもあるかと思います。当科ではご依頼があれば十分な時間をとってご説明し、意見をお返ししています。セカンドオピニオンをご希望の場合、現在受診されている医療機関から情報をいただく必要があります。また、当科受診後はもとの医療機関に再度通院していただくことを原則とし、当科通院をお勧めすることはありません。

手術実績

当センターでは2020年、新型コロナウイルス拡大抑制に協力するため、緊急性の低い入院手術を制限した時期もあり、小児眼科で実施していた手術についても非常に少ない実施となりました。対応できる疾患と手術はおおよそ、斜視、眼瞼下垂、睫毛内反症などの外眼部疾患、未熟児網膜症などの網膜光凝固術となっています。白内障については機器の更新ができず対応できない状況となっています。緑内障については最近の手術実績はありません。