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小児神経内科

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当センターの小児神経内科の特徴

常勤の小児神経専門医およびてんかん専門医が担当しています。

当センターの小児神経内科は、日本小児神経学会小児神経専門医研修施設(日本小児神経学会ホームページhttps://www.childneuro.jp/参照)と日本てんかん学会てんかん専門医研修施設(日本てんかん学会ホームページhttp://square.umin.ac.jp/jes/参照)のいずれにも認定されています。

当センターの小児神経内科では上記学会で認定された小児神経専門医およびてんかん専門医の両資格を有する医師2名を含む常勤の小児神経科医3名が、たくさんの小児神経関連の患者さまの診療を担当しています。

とくに、てんかん診療を専門に充実した診療を心がけており、けいれん重積など緊急時の対応を行うとともに、てんかん発作時脳波や終夜脳波を含め年間1800件の脳波検査と脳MRI・MRS、脳血流SPECTなどの神経画像検査をもとに難治性てんかんに対しても専門的医療を提供し、現在1000名を越えるてんかんの患者さまの診断・治療を行っています。さらに、薬物治療に反応しない難治性てんかんにはACTH療法、ケトン食療法、迷走神経刺激療法(資格認定医)なども行っており、てんかん外科治療が必要な場合にはてんかん外科専門施設へ紹介しています。
外来診療におきましては、これら多数の患者さまの定期診察、臨時診察、および新患さまに対応できるように診察日を毎日に設定し(外来担当表参照)、定期検査日には当日の脳波検査結果・抗てんかん薬の副作用チェックのための血液尿検査結果・抗てんかん薬血中濃度迅速測定結果をすべてその日のうちに説明し、即刻治療に反映できるようにしています。

また、種々の原因による重症心身障害児医療に関しても小児外科、脳神経外科、麻酔科、リハビリテション科などと連携して包括的な診療を行い、在宅人工呼吸管理、在宅酸素療法、在宅気管切開管理、在宅成分栄養管理などの在宅医療にも積極的に取り組んでおります。

さらに、先天性の筋疾患、代謝異常症、変性疾患などの神経難病に対する診療も行っています。
広汎性発達障害を含む精神運動発達障害に対しては小児精神科と連携しながら対応しています。

小児神経内科はどんな病気を診るのですか

小児神経内科ではけいれん、運動・知能・感覚・行動または言葉の障害など脳、神経、筋に何らかの異常がある小児の診断、治療、指導を行っています。

けいれんをおこした、意識がおかしい、頭を痛がる、頭の形がおかしい、首のすわりや歩くのが遅い、ふらふらする、よく転ぶ、歩き方がおかしい、手足の力が入らない、まぶたが下がる、眼球の動きがおかしい、食べ物にむせる、ことばが遅い、しゃべらなくなった、手や首を変なふうに動かす、落ち着きがない、お友達とのトラブルが多い、集団でみんなと同じ行動ができない、思ったことと違うことがおこると手がつけられないほど泣いたり怒ったりする、勉強についていけない、日中の居眠りが多いなどがある場合には脳・神経・筋肉の病気が疑われます。

4ヵ月健診、1歳6ヵ月健診、3歳児健診で頭の大きさや形の異常、発達の遅れを指摘された場合、多くの場合、精密検査は小児神経科医に紹介されます。

小児期に知的障害、自閉症、脳性まひなどと診断され、その後あまり病院に受診することなく大きくなって、気になる症状が出た時や健康問題で心配がある場合も、遠慮なく小児神経科医を受診してください。小児神経科医は小児期から脳・神経・筋に障害のある人が成長後に(成人になって)かかりやすい病気についても専門にしています。

受診した後、どのように治療していきますか

受診されますと、受診されたきっかけとその症状のこれまでの経過をうかがいます。ご家族の構成やご家族の病気、受診された患者さまを妊娠していた時の状況、生まれたときの様子、首がすわった時期、歩き始めた時期や言葉を話しはじめた時期、これまでにかかった病気や予防接種歴などについてもうかがいます。身長、体重、頭囲を計測し、発達レベルをうかがい、必要な場合には運動や遊びの内容などの行動を観察した後で、内科的な診察、さらに神経学的診察を行います。

診察の後は、血液検査(肝機能、電解質、血糖、筋肉由来酵素、乳酸・ピルビン酸、アンモニア、血液ガス、内分泌・代謝異常症の有無、染色体異常の検査など)や尿検査(代謝異常症などのチェック)、脳の構造の異常や損傷を調べるCT検査、知的レベルを調べる発達検査、てんかん性異常波を調べる脳波検査などを行います。安静を必要とする検査の場合には睡眠薬で眠らせる場合もあります。さらに脳の構造や損傷の有無を詳しく調べるMRI検査、脳の血管の異常を調べるMRA検査、脳の活動をしらべるSPECT検査、脊髄液検査、神経の伝わる速度を調べる電気生理検査、遺伝子の異常が疑われる場合には遺伝子検査などが行われることもあります。

これらの診察と検査で診断をつけた上で、治療や指導を行います。手術が必要な場合は脳神経外科に依頼します。眼科や耳鼻科の検査や治療が必要な場合にはそれぞれの科に、精神的症状が主な場合には小児精神科に依頼します。また、療育やリハビリテーションが必要な場合にはリハビリテーション科に依頼します。

けいれん発作が多いお子さんや嚥下や呼吸が上手に出来ないお子さんの場合、自宅や学校で必要な医療的支援を行い、緊急時の対応をします。また、知的障害、自閉症、脳性まひのある成人の方で、内科的・外科的疾患が疑われる場合には、治療がうまく行われるように各科との連携をとります。

このように、当センターでは小児神経科の患者さまに対して医療も療育も包括的に提供できることが最大の特徴です。

小児慢性特定疾患申請書、てんかんに対する自立支援医療申請書、知的障害に対する特別児童扶養手当申請書、障害者年金申請書、障害者自立支援法に関する医師意見書などを作成しています。また、訪問看護や訪問リハビリテーションを希望する場合には訪問看護ステーション宛に指示書を作成いたします。