音声よみあげ

配色変更

文字サイズ

  • 標準
  • 拡大

産科

はじめに

平成19年9月1日より当センターに産科を開設し、各分野の小児専門医のもとで分娩を行うことが望ましい胎児異常の出産を可能にし、子どもたちの出生後の予後向上に貢献してきました。残念ながら二年間の産科休止がありましたが、この度28年4月に産科再始動しました。以前同様、札幌医科大学産婦人科のバックアップのもと、今後も北海道の周産期医療向上に寄与していきます。

【特定機能周産期母子医療センター】の役割(産科)

当センターは、総合周産期センター等においても対応が難しいハイリスクの胎児や新生児に対応する特定機能周産期母子医療センターとしての役割も与えられています。これら先天奇形などの特異的な障害や先天性心疾患、呼吸器疾患など重篤な合併症を有する胎児・新生児に対する集学的治療など、高度な周産期医療を提供します。

これらの子どもたちは、生まれたばかりの新生児期に救急車でセンターに搬送されてくるのでは、児に大きな負担を強いることになります。また、新しい家族の一員となった子どもたちが(母)親と離れ離れになることは極力避けてあげる必要があります。そのため産科は極力出生前から母子を引き受けたいと考えています。尚、現時点では人員の関係から事前にご相談させて頂くことをご了承ください(紹介予約診療を基本としています)。

業務の内容

1. 胎児精査及び胎児超音波スクリーニング

他の医院・病院などで胎児異常が疑われるケースを紹介していただき、胎児の検査を行うだけではなく、希望者(一般の妊婦さん)には胎児が健やかに育っていることを確認するために超音波検査で胎児スクリーニングを行っています。

 

【胎児超音波スクリーニング】

今、約30人に1人の赤ちゃんが何らかの病気を持って生まれてくるといわれています。病気が判らないで生まれてくる場合は、生まれてすぐに命の危険が生じることもあり、また治すことのできる病気も治療開始が遅れることになります。すべての異常を見つけておくことは現代でも不可能ですが、極力チェックをしておくことは大切です。

 

週数が進むと見づらくなることもあって、通常24週頃がチェックに良い時期とされています(できれば30週頃と二回受けるのが一般的です)。

 

健康診断やドックなどと同じように自費診療(有料で5000~6000円)となりますので、希望者は当センター産科にお問い合わせください。

2. 当センターにおける分娩

二分脊椎・水頭症・重度の胎児心疾患および肺疾患などの胎児異常では、帝王切開による分娩が望ましいと考えられています。これ以外の胎児異常でも分娩から新生児治療へスムースに進めていくために多くの場合帝王切開による分娩が選択されます。

 

当センターでの分娩をお勧めするケースでは新生児治療の観点から原則的に帝王切開分娩となります。もし、通常の経膣分娩が可能と判断された場合は、綿密な連携のもとに札幌医科大学あるいはお近くの紹介病院での分娩も考慮いたします。

3. 緊急を要する切迫早産の治療(札幌医科大学経由)

前期破水など緊急を要する切迫早産例で、帝王切開による分娩が望ましい場合は当センターも貢献したいとは考えてはおりますが、人員の関係上、現時点では直接の母体搬送受け入れは行っておりませんのでご了承ください。札幌医科大学産科周産期科経由で当センターでの母体搬送を受け入れています。

 

また、現時点では母体合併症(妊娠高血圧症候群、前置胎盤など)を有した妊婦さんの受け入れは困難な状況です。重ねてご了承ください。

令和5年度(2023年度)周産期医療従事者研修会

日時:令和6年3月2日(土)

場所:北海道立総合体育センター(北海きたえーる)

内容:「産科爺の勧める妊活」 資料はこちら

講師:特定機能周産期母子医療センター 医療担当部長(産科) 石郷岡 哲郎